経口避妊薬は主に避妊を目的として使用される女性ホルモン剤です。
現在では避妊だけでなく、生理周期の安定や生理痛の軽減など月経に関する様々な症状の治療にも使用されます。
経口避妊薬には成分として卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれています。
卵胞ホルモンはエストロゲンとも呼ばれます。経口避妊薬に含まれるエストロゲンはエチニルエストラジオールです。
一方黄体ホルモンはプロゲステロンとも呼ばれ4種類に分類されます。

低用量ピルはエストロゲンの量が1錠あたり50マイクログラムより少ないものを指します。
一般的には30マイクログラムから35マイクログラムとされます。
1960年に経口避妊薬が開発された当初は50マイクログラムを超えるものが使用されていましたが、1973年に低用量ピルが開発され世界的に普及しました。
日本では1999年に承認されています。経口避妊薬はピルとも呼ばれます。通常ピルとは低用量ピルを指します。
低用量ピルは体に負担をかけずに避妊できるというメリットがあります。

レボノルゲストレルはプロゲステロンの一種です。
低用量ピルはプロゲステロンの種類によって世代が4つに分類されます。
レボノルゲストレルを含む低用量ピルは第2世代に該当します。またレボノルゲストレルは緊急避妊薬の成分としても使用されています。
通常のピルは計画的に使用することで避妊を行います。
しかし緊急避妊薬は、何らかの原因で性行為前の避妊を失敗した場合に服用します。
緊急避妊薬にはヤッペ法と呼ばれる古いタイプと、レボノルゲストレル法と呼ばれる新しいタイプがあります。

ヤッペ法はエストロゲンが50マイクログラム含まれる中用量ピルを使用するため、体への負担が大きなものでした。
現在では緊急避妊の方法としてレボノルゲストレル法が主流となっています。
レボノルゲストレルはヤッペ法と比較して体への負担を少なくできます。
性行為前に低用量ピルを使用した場合の避妊率は約100%ですが、緊急避妊薬を使用した場合は約80%とされています。

低用量ピルにおける避妊効果のメカニズム

現在経口避妊薬として一般的に広く利用されているのは低用量ピルです。
低用量ピルは体への負担が少なく、約100%の確率で妊娠を回避する作用があります。
ピルには成分としてエストロゲンとプロゲステロンが含まれています。
そのためピルを服用すると、脳が卵巣からエストロゲンやプロゲステロンを分泌しなくてもよいと判断します。
エストロゲンやプロゲステロンが分泌されないと、排卵が抑制されます。
ピルの服用は着床障害と受精阻害作用をもたらすため、妊娠を防ぐことができます。

排卵と妊娠のメカニズムは、ホルモンによってコントロールされています。
卵胞刺激ホルモンはFSHとも呼ばれ、卵巣に作用して卵胞を発育させます。
また黄体形成ホルモンはLHと呼ばれ、成熟した卵胞に作用して排卵が起こります。
脳から分泌されたFSHとLHが卵胞を育て、LHが排卵を促すというメカニズムが存在します。
一方エストロゲンとプロゲステロンは卵巣で分泌されるホルモンです。低用量ピルはエストロゲンとプロゲステロンの分泌を阻害します。

エストロゲンには子宮内膜を厚くしたり、子宮頸管粘液を分泌し精子を通りやすくする作用があります。
プロゲステロンには子宮内膜の発育を抑制したり、基礎体温を高く保つ作用が存在します。
ピルを服用すると脳がエストロゲンとプロゲステロンの分泌を不要と判断するため、FSHとLHの分泌量が減ります。
FSHとLHが減少して卵胞が発育しないので排卵が生じません。
エストロゲンも分泌されないため、子宮内膜が厚くならず着床障害が起こります。

ピルを服用すると、プロゲステロンが分泌されず子宮頸管粘液が分泌されません。
子宮頸管粘液が濃くなるため、精子が子宮内に入りづらくなります。精子が子宮内に入れないことで受精阻害作用が生じます。
計画的に低用量ピルを服用すれば、体に大きな負担をかけずに避妊できます。